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160cm 50kg 小柄なKくんのゴール「コーチ、俺ホームランが打ちたいんです。」


コーチ、僕・・・ホームランが打ちたいんです・・・
 
素晴らしいじゃないか!
 
160cm,50kg 小柄で足が速く、小技の上手い選手「Kくん」は、ある日そんなゴールを語ってくれました。
 
いつも、バントなどの小技の練習ばかりさせられていたKくんが憧れていたのは、現在では中日ドラゴンズ二軍監督として活躍する小笠原選手。当時は、「Mr.フルスイング」の異名をとり、ジャイアンツの主軸として活躍していました。
 
普通の指導者であれば、
 
お前は足があるんだから、小技を磨け!
その身体でホームランなんて無理だ!
 
となってしまうことでしょう。
 
しかし、コーチングは「選手の心からwant toのゴール」こそが全てです。選手のゴールに100%寄り添い、共に試行錯誤しながら楽しむことこそ、指導者、リーダーの楽しみであり、喜びであると考えています。
 
今回はこの「小柄で足の速いKくん」がどんな風に成長していくのか、エピソードを交えながらご紹介したいと思います。
 
 

上手くいくはずのないアイデア

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160cm,50kgの体でホームランを打つ
 
一見すると、Kくんのアイデアは無謀で、上手くいく見込みのないゴールに見えてしまいます。
 
しかし、これはあくまで指導者から見た視点です。指導者の判断基準のみで「お前のような体で、ホームランなど打てる訳がない!」と一蹴してしまうのは、自動的に選手自身のゴールを否定し、引き下げてしまうことになります。
 
大切なのは、指導者自身にも「スコトーマ」(心理的盲点)があるということを認識することが大切です。
 
現実に調べてみると、Kくんが憧れていた元ジャイアンツの小笠原選手は、プロ通算378本のホームランを放っているにも関わらず、なんと高校通算本塁打は0本なのです。コレは完全に、指導者のスコトーマと言えるでしょう。
 
だからこそ、「選手自身の心からwant toなゴール」を大切にし、その達成に向けて全力でサポートすること。そして、指導者である自分自身が「自分にも必ずスコトーマがある」と認識することが、大きなゴールを達成するために必要な第一歩なのです。
 

「失敗=悪いこと」というブロック

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でも・・・本当にホームランなんて打てるのかな・・・
 
高いゴールを掲げたとしても、「失敗したらどうしよう」というマインドは多くの人がお持ちかもしれません。
 
しかし多くの場合、「ぶっ飛んだゴール」を目指す中で、様々な気づきや発見があります。たとえ、そのゴールが達成できなかったとしても、新たなゴールが見つかったり、新たな才能に目覚めたりと、「失敗」から多くのことを学ぶことができます。
 
それはもはや「失敗」でもなんでもないと言えるでしょう。むしろ、喜んで失敗していくような人間こそ、多くの経験をし、さらなるステップに進んでいくはずです。
 
Kくんと、その日から「ホームランを打つ練習」をスタートさせました。Kくんと話し合いながら、
 
ホームランを打つには、打球に角度が必要だな!
 
打球に角度をつけるには、バットのこの辺りにボールを当てることが必要だ!
 
50kgの体重を効率よく使う為に、一本足打法にチャレンジしよう!
 
などといって、新たなことにどんどんチャレンジしていきました。どれをとっても、Kくんの取り組みは、心からのwant toの情熱が溢れんばかりの素晴らしいものでした。
 
俺も、Kくんと一緒に練習したい!
 
といって、他の選手をも巻き込み、朝は日が昇ると共に、夜は消灯時間ギリギリまで、「ホームランを打つ為の練習」は続いていきます。
 
おいK!もっとこうしたらどうだ?
なるほど、ちょっとデジカメで撮影してみてくれ!
 
Kくんを取り巻く選手たちは、そんな風にゴールへ向けて様々なクリエイティブな発想を出し合いながら、練習していく姿を見て、指導者であるはずのこちらが逆に、「頼もしいな」「凄いな」と感じたほどです。
 
 

練習試合、代打Kくん!

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そんな練習が続いていたある日、練習試合が行なわれました。
 
相手は甲子園常連のチーム。昨年の夏も甲子園に出場するなど、非常に力を持ったチームでした。
 
試合は5回を終わって0-4とリードを許して苦しい展開。しかし、6回、7回と徐々に打線が繋がり始め、3-4と1点差に詰め寄りました。練習試合といえど、ベンチの盛り上がりは最高潮!その日、采配を揮っていた私にも「絶対に勝ちたい!」という選手たちの強い思いが、甲子園常連チームを押しているように感じていました。
 
そして迎えた8回、1死1.3塁と同点の絶好のチャンスを掴みました。
 
代打、Kくん!
 
これまで、ホームランを打つ練習を繰り返してきたKくんを、僕は代打に送りました。そして出した指示はこれです。
 
おいK!タイムリーなんてセコいことは考えるな。ホームランをひとつ頼む!
 
Kくんは緊張で強ばりまくっていましたが、大きく頷き、打席に入りました。そして1球目、2球目と見逃したKくんはタイムを取り、ベンチに返ってきたのです。
 
小出コーチ。エンドランのサインを出して下さい。
 
Kくんは唐突に、指揮官である僕にエンドランという作戦を提案してきました。(※エンドランとは3塁走者を確実に本塁に返し、1点を取る為の小技サイン)
 
Kは、それがいいんだな?
 
はい。ホームランがどうとかより、絶対勝ちたいんで。
 
僕はKくんにエンドランのサインを送り、Kくんは見事にライトオーバーの打球を放ち、一気に逆転してしまいました。チームメートも皆、Kくんの「男の決断」に痺れ、その活躍を心から喜んでいたことを覚えています。
 
Kくんは、自らの意志で、自らのゴールを更新し、チームの勝利に大きな貢献を果たしてくれたのです。しかも、あのライトオーバーはきっと、「ホームランの練習」がなければ、出なかった打球だと言えるでしょう。
 
Kくんは、自らのゴールに向かう途中、様々なことを感じながら練習していたことでしょう。自分の練習の手伝いをしてくれるチームメート、色んな工夫をしながら練習をしたときの感覚、そして何よりも「勝ちたい」という気持ちが、want toのゴールを目指すことで育っていったのではないかと思うのです。
 

最後に

選手が心からwant toのゴールを目指してひた走るとき、指導者が机の上では教えられない様々な教訓や真理を、選手たちは自らの力で学び取っていきます。
 
Kくんは、「自分のホームラン」というゴールを持ち、練習していくことによって、より高い抽象度にある「チームの勝利」というゴールを自らの意志で持ったのです。
 
これは指導者として、最高の喜びではないでしょうか?恐らく、最初の時点で「お前にホームランなんて打てない」とゴールを否定してしまっていたら、あのエンドランは決まらなかったのではないかと思います。
 
だからこそ、指導にあたっていらっしゃる方々には、「選手自身のwant toのゴール」を圧倒的に信じてみて欲しいのです。そこには、私たちが想像できないほど大きな財産となるものが眠っているからです。
 
選手自身のwant toのゴールは、指導者にとっては宝の山。
ゴールさえ見つかれば、あとは選手に任せてみて下さい。凄いことがなぜか次々と、起こってくるものです。
 

<まとめ>

・want toのゴールこそが、大きな力を生む
・指導者自身も「自分のスコトーマ」を認識し、選手のwant toを信じてみること
・大きなゴールは、より大きなゴールを見つけるきっかけになる
・want toのゴールは、周りをも巻き込む大きな力を持つ!
 
 
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